スバルセレクトモニターと90年代のスバル車のページ 90年代のスバル車をこよなく愛する人たちへ |
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スバルセレクトモニタの機能をWindows PCで再現 車の調子が悪くなった時にディーラに行くとなにやらメカニックが機械を接続して調べている。そう、それがスバルセレクトモニタです。時代と共に何回か装置は変更されていて、OBD IIになる前のおよそ1998年ぐらいまでスバル車に対応しているのはSSM2と呼ばれているタイプになるようです。車が古くなってくると、あちこちの部品が傷んできます。80年代までの車はキャブレターだったので機械的な分解整備のみで維持できますが、マイクロプロセッサを使用したインジェクション方式になってからはメカ部品が正常でも、ECUやセンサー類の劣化や破損で車が使えなくなったりするようになりました。チェックエンジンのような警告灯が点灯していると車検にもパスできなくなりました。 |
これは90年代の車の大きな問題と言えます。センサー類の劣化は目で見てもわからず、セレクトモニターのような診断機が必要になります。ディーラーや一部の整備工場はもっていますが、一般にに売られているものではなく入手は困難です。しかし、このセレクトモニターを解析した方がイギリスにおられるようです。"Diagnostics and Datalogging for Subaru SVX"というサイトで詳しくはここを参照してください。本ソフトウェアは基本的にここに記載してある情報を参考に、インプレッサのROMデータを解析して作成しました。ROMの解析については別途解説します。情報を提供してくれたPhil Skuseさんに感謝です。2023年現在、ディーラーではSSM3およびSSM4を使用しているそうです。90年代の車で使用されていた初代SSMおよびSSM2は保守期限も切れているそうで、もうあまり使用されておらず、これから先ODB IIポートのないこれらの古い車は診断不可能になってくるかもしれません。 |
本ソフトでできること 現在、GC8/GF8インプレッサの前期および中期モデル(〜`98/9月)に対応すべく作業中です。おそらくSF5フォレスターにも対応可能ではないかと思っています。前期型は集めた情報にいくつか重複している項目があるため、ベータ版では複数の情報を表示するようになっています。内容が確定し次第、正しいと思われるほうを残して削除する予定です。 Select Monitor for Windows (Impreza edition)でできることは以下の通りです ・ECU(Engine Control Unit) ROM IDの読み出し(IDの読み出しだけはGC8/GF8以外でもできます) ・ECUのトラブルコードの読み出しとクリア(現在未対応) ・ECU関連の各種内部情報の現在値の読み出しとリアルタイムグラフ表示(4つまで) ・ECU内の燃調と点火時期マップの表示と別途ダウンロードしたROMデータでの表示(前期のみ対応) ・ECU内のROM/RAM内容の読み出し ・TCU(Transmission Control Unit)のROM IDの読み出し ・TCUのトラブルコードの読み出しとクリア ・TCU関連の各種内部情報の現在値の読み出しとリアルタイムグラフ表示(4つまで) ・TCU内のROM/RAM内容の読み出し ※通信速度が約2000bpsと遅いため情報の読み出しは1秒間に数パラメータしか行えません。 多くのパラメータを表示すると更新が遅くなります。 ※ROMデータの読み出しには数時間かかります。エンジンをかけずに読みだそうとすると確実にバッテリーが上がります。 充電器で充電しながらなど十分対策して作業してください。 測定例1:暖気 水温上昇と共にISCバルブが閉じていき、アイドリング回転数が下がっていきます。最終的に70℃ぐらいで、800rpmぐらいに落ち着くようです。 測定例2:ノック補正 スロットルをあけていないときに、徐々にノック補正で点火時期を進角しているようです。ノッキング検出で一気に補正は戻り、また徐々に補正をかけていくようです。 測定例3:A/F補正 O2センサーの電圧が低い(リーン)だとA/F補正値はプラスに、電圧高(リッチ)で補正値はマイナスに移行するようです。 測定例4:加給圧ソレノイド スロットルを戻すと加給圧ソレノイドが一瞬動作し、負圧でタービンのウエストゲートを開いているようです。 測定例5:冷却水温 道路が混んでいるとき(発進と停止を繰り返すと)徐々に水温は上がっていきます。普通に走っている分には90℃程度のようです。走りだすとすっと水温が下がります。 |
ダウンロードとインストール 下記のリンクからzipファイルをダウンロードして、PCの任意のフォルダに解凍してください。レジストリは使用していません。設定の変更はインストールしたフォルダ内の"select_monitor.ini"ファイルに保存されます。なお、iniファイルでは他車種対応のためのカスタマイズはできません。(他車種への対応はリクエストがあれば検討します) SUBARU Select Monitor for Windows (Impreza WRX edition) Build 240711 右クリックでダウンロード ROM ID A30111に対応しました Build 240224 右クリックでダウンロード 設定が保存さない不具合修正のため、iniファイルの保存場所を変更しました Build 240212 右クリックでダウンロード インストーラが利用可能です Build 230318 右クリックでダウンロード Build 230307 (Beta) 右クリックでダウンロード 対応済みECU/TCUのROM IDと対応について 現在対応済みのインプレッサのECU ROM IDは以下の通りです。ROM IDが登録されていない場合、あらかじめダウンロードされたROMデータでのMAP表示とROMデータの読み出しのみ機能します。ROM IDと諸情報、ROMデータを送付いただければ登録させていただきます。
現在対応済みのインプレッサのTCU ROM IDは以下の通りです。ROM IDが登録されていない場合、ROMデータの読み出しのみ機能します。ROM IDと諸情報、ROMデータを送付いただければ登録させていただきます。
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FTDIドライバについて USB-SSM2ケーブルのドライバはWindows10/11に標準で組み込まれていると思われますが、もし正しく動作しない場合、ECU診断タブでCOMxxが表示されない場合には、D2XXドライバの再インストールをお勧めします。 ドライバはFTDI社の ドライバーページを参照ください。本アプリケーションはFT-232Rのすべての機能を使うためにVCPドライバではなくD2XXドライバを必要とします。FTDI社のページに寄れば、最新のドライバはVCPとD2XXの両方をサポートしているようです。 |
接続ケーブルについて セレクトモニタのプロトコルはクルーズコントロールを除いて、5V TTLレベルの非同期シリアル通信(UART)で行われています。この機能をPCで実現するには、USBシリアルケーブルが必要になります。同じプログラムでSVXのクルーズコントロールユニットに対応するためにケーブルを当面FT232Rを使用したものに限定しています。追って他のUSBケーブルでも対応可能にするかもしれません。 セレクトモニタのコネクタ形状は前期(〜'96)のインプレッサでがSVXと同じ9ピンの角形コネクタになっており、中期('97-`98)ではODB IIと同じコネクタを使用しています。ただし、コネクタはODB IIと同じですが、CAN等で使用しているピンには何も接続されておらず、ベンダー特有で予約されている空きピン2本に非同期シリアルの送受信が割り当てられています。 したがって、前期型のインプレッサでSVXで使用しているのと同じケーブルで動作するものと思われます。ただし、SVXの92年対策(電圧レベル変換)をしているとうまく通信できないようです。 |
本ソフトで使用するケーブルはSVXで使用したものと基本的に同じです。FT-232Rを用いたケーブルであれば問題なく使用できると思います。似たようなUSBシリアルケーブルはEvoScanというソフトを提供している会社でも売られているようですが、本ソフトはSVXで同期シリアル通信をするためにFT232R独自の機能を使用しています(同じ基本的に同じプログラムでデータの読み出し処理をしています)。そのためFT232Rを用いたケーブルでないと正しく動作しません。ケーブルを自作できない、作って欲しいという場合には検討しますので直接メールにてご相談ください。 Rev1.3 GC8/GF8インプレッサ中期用 回路図をPDFでダウンロード |
海外のサイトでVAGKKLケーブルが使えるような記述があったので試してみました。スイッチで端子を切り替えられるようになっていて、FIATなどでは使用できるようですが、残念ながらスバルではそのまま使用できませんでした。回路を調べてみると、出力と入力が接続されていて、半二重通信用のようです。信号の電圧レベルは12Vです。これではSSMでは使用できないので、不要な部品を取り除いて、5VのFT232Rの信号をそのまま12,13番ピンに接続することで使用できるように変更できました。コネクタ形状がODBタイプなら材料としては格安なのでよいかもしれません。 VAGKKLケーブル改造用回路図 回路図をPDFでダウンロード |
なお、EvoScanのケーブルがSF5フォレスターで使えたという情報があります。(2024/8/1) 免責事項と不具合対応について あまり細かいことは書きたくないのですが、トラブルを避けるために簡単ですが使用許諾について 最低限記載しておきます。 ソフトウェア使用許諾
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寄付と連絡先について 本ソフトウェアとケーブルの設計について、いくらかの手間と費用が掛かりました。本ソフトウェアをリリースするにあたり、今後のメンテナンスをどこまで行うかは悩むところではありますが、本ソフトウェアをドネーションウェアとすることにしました。寄付の方法は、当面の間、E-mailタイプのAmazonギフトとします。寄付の金額は任意です。使っていただいて価値があると思われましたら任意で送付ください。送付先は におねがいします。不具合報告や、改善リクエストに関しましても、同メールアドレスへご連絡お願いします。 アマゾンギフトへのリンクを掲載しようと思ったのですが、迷惑サイト(詐欺サイト)と判断されてしまうようです。お手数ですが、"Amazonギフトカード (Eメールタイプ)"で検索ください。 本ソフトウェアの開発に関して、ご協力いただける方がおられましたら助かります。当方は中期GC8のMTを所有していますが、前期のGC8やATの車はありません。ATのTCUに関する情報はネットにもあまりないようです。ご協力いただければオートマTCU等、対応できる機能も増えるかと思います。なお、ODB II対応のソフトは別途多数あるかと思いますので、それらの車種にはいまのところ対応する予定はありません。 |
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