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各国の法定最高速度ととクルーズコントロール

Wikipediaを見ると各国の法定最高速度はさまざまです。それに伴ってSVXのクルーズコントロールもいくつか種類があるようです。SVXの発売当時日本での法定最高速度は100Km/hでしたが、現在は一部の高速道路で120Km/hに変更されており、当時の設定は時代に合わなくなっています。国内仕様のSVXに搭載されているクルーズコントロールユニットの型番は87022PA000で、青いラベルにはDOM(国内仕様)の記載があります。一方、海外から購入した 87022PA020には茶色のラベルが貼られており、EXP(海外仕様)の記載があります。また、"Diagnostics and Datalogging for Subaru SVX"には別の型番 87022PA190というユニットの写真が掲載されています。イギリスのクルーズコントロールユニットがどのような仕様なのかは不明です。


安全のため車上ではなく作成したテスト装置を用いてセレクトモニタソフトウェアを用いて調べたところ、国内仕様は約40Km/h〜105Km/h程度で速度設定が可能なようです。一方、海外仕様では245Km/hまで設定可能です。これ以上速度を上げると速度は0Km/h付近を示すので、これ以上の速度は測定できないものと思われます。つまり87022PA020は設定速度に制限がないようです。しかし、残念ながらこのユニットを国内仕様のSVXに取り付けてもメインスイッチすら動作させることはできませんでした。


セルフ・ダイアグノーシス

 国内仕様のクルーズコントロールユニットにはセレクトモニタによる診断機能のほかに、セルフダイアグノーシス機能がついています。詳しくは整備解説書に記載されていますが、具体的にはB83コネクタのダイアグピン8番をGNDに接続することによってこの機能が有効になります。黒に白の配線です。セルフダイアグノーシス機能は残念ながら海外仕様の87022PA020ではサポートされておりません。一部の回路部品が実装されていないので対応していていないのは明白です。さて、セルフアグノーシスでは各種スイッチが押されたかどうかをクルーズインジケータの点滅で確認することができますが、速度センサーからの入力を確認する機能があります。整備解説書に寄れば、「車速センサーからの出力があれば点灯し、40Km/hでは点滅に変わる。」と記載されています。しかし、この動作をさせる方法がなかなかよくわからず苦労しました。結局、以下の手順が必要でした。
  1. まず速度センサーからの入力を止める(車を停止させる)
  2. この状態でダイアグノーシス機能を有効にする
  3. ゆっくりと速度を上げると点灯する
  4. 40Km/h 28Hz以上になると点滅する
  5. 105Km/h 77Hz以上になると点灯に変わる
つまり、速度設定可能な時だけクルーズインジケータが点滅します。この機能を使用して実際に車を危険な速度で走らせることなく、設定可能な速度を調べることができます。


国内仕様SVXでの速度設定制限の解除

 一度はあきらめかけましたが、その後、再度クルーズコントロールユニットの回路を詳細に調べたところ、国内仕様のSVXで設定速度の制限を解除をする方法を見つけました。詳細の説明は公開する予定はございません。当初破損していると考えていた海外仕様のユニットは正常動作しており、国内仕様の車で動作しない理由は別にありました。実車にて動作確認(新東名での法定最高速度の120Km/h程度での確認になります。)できましたら、希望者に有償にて同様のユニットを提供することを考えています。


クルーズコントロールユニットの交換方法

クルーズコントロールユニットは、グローブボックスの奥にあります。ユニットはかなり狭いところにあるので、作業に慣れていない方はプロに任せたほうがいいでしょう。頭を下にしての作業が長くなると気持ち悪くなること請け合いです。


まずは、バッテリーの端子を外します。電気系統の整備をするときには、簡単な作業であってもかならずバッテリーは外しましょう。


グローブボックスを外すところから始めます。中身をとりだしたら扉を開け、左側のアームの下側(扉側)を外します。爪で引っ掛かっていますので、浮かせてずらせば取れます。右側のアームは上側の突起が引っ掛かっているだけなので、下側は外さずにとれます。


アームが外れたら、ヒンジ部分にある3本のボルトを外せば扉は取れてきます。真ん中のボルトはフットライトの取り付けも兼ねています。


扉がとれたら、グローブボックスの内張を止めているビスにアクセスしやすくなります。ビスは左右2本づつ、上下に3本づつあります。左右のビスは長め、上下は短めなのであとでわからなくならないように保管しましょう。ビスが取れたらM6のボルト5本を取り外します。


内張の下側にはステーがあります。ステーは左右2か所のビスで留まっています。ビスを外し、フットライトの配線をコネクタで外せば取り外せます


全てのビスを外せば内張は取れてきます。左右が引っ掛かっているので注意します。


内張をはずすとようやくクルーズコントロールユニットが見えてきます。が、まだ取り外せません。手前にあるステーが邪魔をして引き出せないのです。


ステーはグローブボックス扉のキャッチ部分の周辺4本のビスで留まっています。このビスを外すとようやくユニットが引き出せるようになります。


M6のボルト2本を外すとユニットが引き出せるようになります。が、ハーネスが短いので半分ぐらいまでしか出てきません。


ここで、リレーを取り付けている#3のプラスビスを取り外します。かなり固く締まっています。リレーを外すとさらに引き出せるようになりますので、奥に手を突っ込んでコネクタのフックを押してコネクタを取り外します。22pinのコネクタが1つ、4pinのコネクタの1つです。


これでようやくユニットが取り外せました。取り付けは逆順に行うだけですが、内張やステーの位置が正しい位置におさまらないとなかなかすべてのビスが入りません。一度に締めてしまわず、仮止めしてすべてのビスが入ることを確認してから本締めしてください。また、内張を組み付けてしまう前に一度バッテリ端子を取り付け、エンジンキーをONにして、クルーズコントロールのメインスイッチを押して電源が入ることを確認しておくことをお勧めしておきます。もう一度分解するのは大変です。


海外版クルーズコントロールユニットの販売について

日本国内のSVXで使用可能な海外版クルーズコントロールユニットの販売は終了ました。現物を送付いただいて、制限解除を行う加工は受け付けています。メール (またはmixiメッセージ等)にてご相談ください。
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